2020年東京五輪エンブレムの選考コンペに応募したデザイン関係者

広告代理店がデザインを「カネ化」し、デザイナーもそのいいなりになってきた日本デザイン界のうみを、これを機に全部出し切った方がいい。 通常なら、選ばれなかった側にも「こういうデザインに決まったが、引き続き協力をお願いしたい」という連絡くらいある。しかし今回、組織委員会からの連絡は全くなかった。 応募したほかの103人のデザイナーに、最低限の礼儀もなかった。修正してまで、佐野氏のデザインに決めた。その段階で、佐野氏と我々は平等ではないと思った。 この30年くらい、デザインコンペは広告代理店中心に動いている。デザイナーも、代理店の意のままに動くようになってしまった。 お金になればいい、と要求がエスカレートする代理店に、これまで佐野氏はうまく乗ってきたのではないか。代理店にとっても、使いやすいのだろう。 一番残念なのは、日本を代表するメンバーが審査委員に名を連ねながら、今回の選考を許したことだ。 本来デザインは、コンセプトやストーリーを考えて決めるべきだ。今回は今後の展開も含めて、お金になりやすい、お金を生みやすいものが選ばれた。